滝宮駅本屋 香川県綾歌郡綾川町滝宮
琴電滝宮駅は、琴平電鉄(現琴電琴平線)の停車場として建設され、大正十五年十一月三十日に竣工した。の十二月二十一日に栗林公園~滝宮間がまず開通しているため、当初は暫定的な終着駅であった。
駅本屋の設計者は明確ではないが、社長の大西虎之介が阪急・阪神・南海電鉄の駅本屋を見聞して、各駅本屋の設計にあたったとされる。施工者の早谷川栄については、情報がなく詳細不明である。
線路の西側に南面して建つ平入りの建物で、梁間9,095m、桁行5,46mを測る。屋根は袴腰屋根で、急勾配に噴き下ろされる。正面(南面)出入口上には千鳥に袴腰屋根が突き出し、妻壁は方丈で支えられる。屋根瓦は噴き替えられているが、当初から洋瓦葺きであった。外壁は妻部も含めて現在では下見張りであるが、竣工時の写真及び設計図ではモロタルスタッコ壁に柱を装飾的に露わにするハーフチンバーでまとめられている。
内部の間取りは、正方形(5,46×5,445m)の待合室と、その奥の3畳に出札室と宿直室、一回り大きな駅長室からなる。待合室南が出入り口で、東側が改札口で葺き降ろされた下屋を経てホームに連絡する。下屋南側は集札口であったが、現在は閉鎖されている。
滝宮駅本屋は、屋根の形状や外壁の仕上げに大正期の住宅と共通する要素をもつ、瀟洒な建物である。これは一部を除いて琴電琴平線(旧琴平電鉄)に共通した傾向であり、ほぼ同時期のJR琴平駅本屋や善通寺駅本屋よりも記念碑性が希薄で私的な意匠表現といえる。この点に、大正末期の私鉄駅本屋の特徴がよく表れていると評価出来る。
参考文献 高松琴平電気鉄道株式会社社史編さん室1970『60年のあゆみ』
以上の文は香川県立図書館蔵『香川県土木史』より転載しました。
近代化産業遺産 平成20年度 経済産業省
写真は、2013年4月9日撮影
場所は、ノートスポット『鉄道駅などのmap』にスポット投稿します。
琴電滝宮駅は、琴平電鉄(現琴電琴平線)の停車場として建設され、大正十五年十一月三十日に竣工した。の十二月二十一日に栗林公園~滝宮間がまず開通しているため、当初は暫定的な終着駅であった。
駅本屋の設計者は明確ではないが、社長の大西虎之介が阪急・阪神・南海電鉄の駅本屋を見聞して、各駅本屋の設計にあたったとされる。施工者の早谷川栄については、情報がなく詳細不明である。
線路の西側に南面して建つ平入りの建物で、梁間9,095m、桁行5,46mを測る。屋根は袴腰屋根で、急勾配に噴き下ろされる。正面(南面)出入口上には千鳥に袴腰屋根が突き出し、妻壁は方丈で支えられる。屋根瓦は噴き替えられているが、当初から洋瓦葺きであった。外壁は妻部も含めて現在では下見張りであるが、竣工時の写真及び設計図ではモロタルスタッコ壁に柱を装飾的に露わにするハーフチンバーでまとめられている。
内部の間取りは、正方形(5,46×5,445m)の待合室と、その奥の3畳に出札室と宿直室、一回り大きな駅長室からなる。待合室南が出入り口で、東側が改札口で葺き降ろされた下屋を経てホームに連絡する。下屋南側は集札口であったが、現在は閉鎖されている。
滝宮駅本屋は、屋根の形状や外壁の仕上げに大正期の住宅と共通する要素をもつ、瀟洒な建物である。これは一部を除いて琴電琴平線(旧琴平電鉄)に共通した傾向であり、ほぼ同時期のJR琴平駅本屋や善通寺駅本屋よりも記念碑性が希薄で私的な意匠表現といえる。この点に、大正末期の私鉄駅本屋の特徴がよく表れていると評価出来る。
参考文献 高松琴平電気鉄道株式会社社史編さん室1970『60年のあゆみ』
以上の文は香川県立図書館蔵『香川県土木史』より転載しました。
近代化産業遺産 平成20年度 経済産業省
写真は、2013年4月9日撮影
場所は、ノートスポット『鉄道駅などのmap』にスポット投稿します。
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