雲の上の町 ゆすはら
 梼原町は高知県高岡郡の四万十川上流域にある町です。
 梼原町は、愛媛県との山深い小さな町でが、一歩先行く姿にみはる。ひとつは、世界的建築家の「隈研吾氏」が手がけた建築物が四つもあることと、もう一つは、福島原発事故の遥か前に、自然エネルギーの価値に気づいていたことだ。
 町総合庁舎(2006年完成)は、隈研吾氏作品で、木とガラスを組み合わせた外観が印象的で中は杉の香りが漂っているそうです。2970.79㎡
 梼原に自然エネルギーを呼び込んだのは、1997年から3期町長を努めた「中越武義氏」だ。風車をはじめ、梼原川の落差を生かした小水力発電所などを次々と整備した。町は4年前、2050年までにエネルギー自給率100%を達成する「行動計画」を決めた。
旧梼原村役場庁舎 Oid Yusuhara village Office
建築:明治24年(1891)
移築:昭和53年(1978)
構造:木造瓦葺2階建
延面積:164.0㎡
設計:国枝延寿(越智面出身)
 東町の庄屋屋敷跡に初代梼原村(旧西津野村)役場庁舎として建築。昭和10年(1935)まで役場として使用されていました。
 南町に新庁舎が完成した後は、孝山塾青年学校・梼原農林学校・梼原高校の一部として使用され、昭和39年(1964)からは民具資料館として開館しました。
 その後、昭和53年(1978)、現在地に移転して、歴史民俗資料館別館として様々な民具を展示しています。
 文は、現地説明板より転載しました。
 写真は、2013年10月2日撮影
 場所は、スポットノート『古建築物map』に投稿します。
 
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 梼原町総合庁舎
 1968年建設された鉄筋コンクリート造の町役場が老巧化したことから、「防災の拠点機能」、「住民の利便性」、「梼原産木材の利用」を考慮し、行政、議会を含む庁舎用途にJA、銀行、商工会を加え、延床面積3000㎡、地上2階、一部地下1階、梼原町総合庁舎として2006年10月に完成した。外観は柱、梁、内部仕上げだけでなく、外部仕上げにも地場産の杉材をふんだんに使用し、温かい木のぬくもりに包まれた庁舎とした。柱、梁、床等の主要構造部は、地震力の負担のため、一部をRC造としたハイブリット構造とし、地震災害時等の活動拠点となることも考慮して、基準となる地震力を割り出し、耐震性を高めた。
 南側の大きな開口部は木製パネルによりガラス面積を調整し、床からの空調や床暖房といった大空間に適した設備により、快適なアトリウム環境を目指し、エコマテリアルによる断熱、日射遮蔽により、熱負荷低減と良好な室内温熱環境の実現の両立を狙った。梼原産材で作られた木製サッシに、Low-E複層ガラスを組み合わせ、ベネシャンブラインドには、スラット自体に断熱性を持ち、結果的に日射遮蔽工科が高い木製ブラインドを採用した。etc。
 屋根には、太陽光発電パネルによる二重屋根を使った太陽熱集熱と合わせて、外気負荷を低減し空調用エネルギー消費量を削減している。夏季の太陽光パネルの温度低下により、発電効率向上も同時に狙った。
用途:総合庁舎(町役場、銀行、農協、商工会)
敷地面積:6,020.94㎡
建築面積:1,628.25㎡
階数:地上2階、当夜1階、地下1階
高さ:軒高12.67m 最高13.01m
構造:木造(一部RC造)
後期:2005年5月~2006年10月
建築主:高知県高岡郡梼原町
設計監理:学校法人慶応義塾
建築設計:株式会社隈研吾建築都市設計事務所
総合施工:飛島、ミタニ建築工事共同企業体
設備施工:株式会社四国電工
隈研吾プロフィール http://kkaa.co.jp/about/kengokuma/
特集 環境と建築材料
財団法人建材試験センター 建材試験情報1’09より転載しました。
(慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授 伊香賀 俊治氏)
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さざれ石(石灰角礫岩)
石灰岩が粉砕されて堆積した崖錐(がいすい、talus)に、石灰分を含んだ水が流下して再固結したものである。本町では、四万十川源流の丸野公園付近に分布している。一名「子持ち石」ともいう。「君が代」にいう「さざれ石の巖となりて、苔のむすまで」とは、このさざれ石のように小石が集まって岩になるさまをいたったものである。
文は、現地説明板より転載しました。
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