<><>旧恵利家住宅<><>
 旧恵利家住宅は、香川県さぬき市大川町のみろく自然公園内に移築保存されている国指定重要文化財です。(1871年6月22日指定)
 旧恵利家は、日本を代表する三間取り形式の住まいです。奥には、座敷と納戸があり手前には、広間がそして広い土間が造られています。
 『座敷』には畳が敷かれ床の間があり、南側には、障子戸その外側には、縁側が付いていて、この家では、一番立派な部屋です。
 『納戸』は、座敷の北側にあり板式で櫃・箪笥などが置かれていた。現状の「ツヤノ」部分は、当初からあったものではなく、後に納戸を拡張したものです。これも旧恵利家住宅の特徴の一つです。
 『広間』は、板敷きで(むしろが敷かれていたと思われる。)間口は広く障子が入ってなく広々としている。ここで日常の生活を営んでいたのでしょう。
 『土間』は、三方を土壁で囲まれ開口部は二箇所出入り口で窓はありません。広々とした土間では、収穫した農作物の仕分け作業や保存をしていた。

 『旧恵利家住宅』の所有者であった恵利氏がさぬき市大川町新名に住み着いたのは、19世紀の始めといわれています。この地で農耕に勤め、安政のころ集落の長百姓役をしていた旧家の屋敷を取得した。恵利氏にこの住宅を譲った旧家がこの地に入居したのは不明、恵利氏初代が元禄12年に没していることと、建物の構造・手法などからその時期に該当していて、建築年代も17世紀末頃と考えられます。
 昭和42年老巧化が進み建替えの計画をしました。地元では、住宅の保存の機運が高まり、大川町が昭和45年町内田面砕石(たづらわれいし)の大川ダム東岸に解体移築保存され、翌年、香川県東部の典型的な民家で建築年代も古いことから国から重要文化財に指定されました。平成13年にみろく自然公園に再度移築保存され現在に至っています。

 ※住宅の特徴
 九州から東北にかけて一般的に建てられていた「三間取り」土間に沿って梁いっぱいに広間が広がり、奥に座敷と納戸の二室がる。平面形式で「ツクダレ」と呼ばれる軒先まで萱を葺き降ろす屋根の形状や、梁組に岡山県の民家と似た工法を用いている点が特徴として挙げられる。
 「天井」は、丸竹を敷き『つづらかつら』を縄代わりに編みその上に藁を敷き荒土を塗りつけた天井で『ヤマト』と呼ばれています。
 「屋根」は、約30年で葺き替えます。作業は、家のものだけではなく、近所に人たちの協力で行われていました。
 「壁」は、竹を藁縄で編み下地を作り、土を何度も何度も塗り重ね長い日数をかけて仕上げています。
 「柱」は、比較的細く、栗の木が多く使われ、表面は、『チョウナ』で仕上げたり、木の皮を剥いただけの柱もあります。
 入場料=無料 水曜日が休日:水曜日が祭日は翌日

 記事は、『旧恵利家住宅』パンフレットより転載しました。
 写真は、2010年1月11日撮影
 
 旧恵利家住宅入り口
イメージ 1

 全景
イメージ 2

 軒下
イメージ 3

イメージ 4

 広間:奥が座敷
イメージ 5

 納戸
イメージ 6

 天井
イメージ 7

イメージ 8